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2024/02/28 11:29

こんにちは、MAH+(まぁ)です。
全3話でお届けする「牧草物語」。
今回は 第2話「めざせ牧草マイスター:自宅での品質管理術」です。
皆さんは普段、購入した牧草をどのように保管されていますか?
・購入した袋のまま保管
・専用のケースに入れ替えて保管
などが多いのではないでしょうか?
牧草を買うとき、多くの方が気にすることに「湿気から守りたい」があると思います。
日本における流通を見てみると、ジッパー付きのポリ袋に入った牧草が圧倒的多数です。
確かに、ポリ袋だと空気を通さないから保存しやすそうですよね。
実際のところ、牧草業者さんや生産者である農家さん、また海外ではどうなのでしょうか?
今日はお問い合わせをいただく中でも特に多い「牧草の保管方法」について大調査!
意外な事実もあり、これを読めば牧草管理マイスターの上級職に転職できるかも🤣
ではでは、いってみましょー!
コンテンツ内容
1.牧草を新鮮に保つ方法
2.牧草の状態を見分ける方法
3.牧草の保管に適した場所
4.最適な保存方法で賞味期限をのばそう(まとめ)
1.牧草を新鮮に保つ方法
牧草の保管で気をつけることは、次の3つです。
・明るさ
・温度
・通気性
明るさ:直射日光や照明のあたらない暗所がいい
牧草を正しく保管する一つ目の方法は、暗所保管です。
具体的にいうと、直射日光の当たらない場所、照明器具から離れた場所です。
牧草にあたる光を遮ることで、色褪せや栄養素の変化といった損傷を防ぎます。
暗所の例:ガレージ、屋外の物置、大きなコンテナボックスなど
温度:涼しくて乾燥した場所がいい
牧草を正しく保管する二つ目の方法は、冷所保管です。
牧草は、人が快適に過ごせる温度より少し低めの管理がおすすめです。
暑すぎたり、寒すぎたり、急激な温度変化が起こりやすい場所は品質低下の原因になりやすいので注意しましょう。
冷所の例:階段下収納、北寄りの玄関、食料保管庫など
通気性:牧草が呼吸できる場所がいい
今回の記事の鍵、それが三つ目の「通気性」です。
牧草は密閉された空間よりも、適度に通気性のある場所での保管が適しています。
なぜなら牧草が呼吸できるようにすることで、湿気の発生を防ぐことができるからです。
牧草の主要生産国であるアメリカでは、通気性のよいケースで牧草を保存するのが一般的です。商品によっては通気性を考慮したパッケージで販売されているものもたくさんあります(そのまま保管できるので便利ですね)
Nacori Lucori の牧草は、丈夫で通気性のあるクラフト袋を使っているので、そのまま保管できます♪

【疑問1】ポリ袋で保管すれば湿気から守れるんじゃないの?
あれ、でもチモシーが湿気ちゃうとカビがはえやすいんじゃないの?
湿気ちゃわないようにビニールで真空にした方がいいんだよね?
うんうん、そう思いますよね(僕は思ってました!)
確かにビニールで密閉する方法は、短期的に汚れや水から中身を守るには向いています。ですが、密閉しているから湿度が高くても大丈夫!ではなかったのです!(えぇー!びっくり)
数ヶ月保管していた新品のチモシーのポリ袋を開封したら、なんか草が湿っぽいなぁと思われた経験、ありませんか?
これは袋が気体分子(空気や蒸気)を通してしまったからなんです。
え!未開封なのに空気が入ったの?と思われるかもしれませんが、実は一般的なポリプロピレンの袋などはガスバリア性が低いため、完全には空気を遮断できていません。そのため、湿度が高い場所に置いておくと、時間の経過と共に中身が湿気てしまうことがあるのです。
(そういえば、未開封のお菓子を開けたら湿気ってた経験、ある…)
湿気対策で一番いいのは空気の通り道を確保してあげること。
つまり、温度と湿度が低い環境で、通気性のある袋や容器に入れて保管することが、牧草を湿気やカビから守り、長持ちさせる秘訣ということなんです。
2.牧草の状態を見分ける方法
牧草の保管状態がいいのか悪いのかわからないと、正しく保管できているかがわかりません。
そこで、こんなときは要注意!
牧草で気をつけたい3つの状態変化を見ていきましょう。
・カビ(カビ臭)
・色変わり(脱色・黒色)
・湿気
⚠️カビ臭:牧草の匂いに注意!カビ臭いときは全て廃棄を!
目で見てカビがないから安心ではありません。なんかちょっとカビ臭い?と思ったらそれは相当なカビが繁殖している証拠。カビは白っぽいもの、緑っぽいもの、斑点カビなど多岐にわたります。
カビが繁殖しているチモシーを動物が食べてしまうと、ひどい場合は命に関わる病気になるケースも。
保管している牧草は定期的に開封して、匂い、見た目、手触りでチェックしましょう。
⚠️色変わり:色褪せだけじゃない、腐敗にも注意を!
牧草を買うたびに色が違うと思うかもしれませんが、それは牧草が天然物だから…だけではないんです。
牧草は、遺伝的に多様な植物で、人がそれぞれ異なる遺伝子を持つのと同じように、牧草も少しずつ違う遺伝子を持っています。また、天候や乾燥の仕方など、様々な要因で茎の太さや色味が変わります。
購入した牧草の様子が前回と違うのは、こんな理由があるのですが、ここで注意したいのは保管時の色の変化。
色が白っぽくなっていたら、日光や何かの光源の影響を受けているかもしれません。
また、腐敗が進むと黒っぽくなったり葉が溶けたりします。
色が薄い=栄養価が低いということではありませんが、日光に当たり続けると、栄養価が変化(損壊)することもあるので、保管している牧草の色が購入時と大きく変わっていないか確認しておきましょう。
⚠️湿気:温度変化に要注意!通気性の悪さが湿気を招く
前述した通り、牧草には呼吸が必要。呼吸できない状態で温度変化が起こると、湿気が発生する可能性が高くなります。
日本のように高温多湿な環境下は特に湿気対策が鮮度を左右します。普段、密閉した容器に入れて牧草を保管している場合は、定期的に状態を確認するとともに、大量に在庫を買い込まず、牧草がなくなる少し前に少量ずつ買い足すようにして、先に購入したものから早めに消費することを心がけましょう。
3.牧草の保管に適した場所
具体的にどのような場所での保管がいいかについて書きたいと思います。
・暗くて
・涼しくて
・通気性のある場所
これらをまとめてよく言われるのは「風通しのいい場所がいいよ」ということ。
でも風通しのいい場所って、どんな場所だろう…🤔
風通しがいい=風があたる場所ではない
風通しと聞くと、風が吹いている場所なんだと思うかもしれませんが、必ずしも風があたる必要はありません。
要は、閉鎖されて空気が動かないような空間でなければいいのです。
その上で、直射日光が当たらなくて、涼しそうな場所…それはずばり
北向きの窓がある部屋か廊下がおすすめです。 うさ部屋です!
だって皆さん、うさちゃんの部屋が一番過ごしやすいんじゃないですか?🤣
エアコン完備、夏場は涼しくて快適、湿度計もあってうさちゃんの体調管理もバッチリ。
それにうさちゃんの牧草を入れ替えるときも、近くに保管していた方が、便利なんだもん。

自然素材のパッケージなら部屋に置いてもおしゃれ
在庫が多くて、うさ部屋だけじゃ収まらないよというときは?
家庭環境によって違いもあるので、ご自宅の中で日が当たらなくて窓があって、夏でも比較的涼しい場所を探してみてください。うちには温湿度を管理できる食物庫があるよーって方(羨ましい🤣)はそこがいいでしょうし、階段下収納だけど通気性はわるくないよーっていう場合は、それもいいと思います。
あ、それから牧草を保管するときは、できるだけ床に直置きではなく、床から高さのある場所においてくださいね(湿気や虫、埃の影響を減らせるのと、うさちゃんが齧って袋に穴があく被害から守れます笑)
【疑問2】牧草の保管に適さない場所ってあるの?
具体的に気をつけたい場所として、以下のような場所は避けた方がよさそうです。
⚠️寝室
寝室は住居の中でも湿度が高くなりやすい部屋!同様に布団をしまう押入れなんかも避けた方がいいです。
⚠️洗面所や脱衣所
お風呂に面した場所にあるクローゼットなども避けましょう。
⚠️床下収納
地域によっては問題ない場合もありますが、保管していた食品がカビてしまったとか、缶詰が錆びていたというトラブルもあるようなので避けた方がいいかもしれません。
⚠️トイレ
流石にトイレに保管する人はいないと思いますが、念の為。
⚠️アレルギーがある人のいる部屋
これは別の目線ですが、イネ科のアレルギーがある人は、あまり近くに保管しない方がいいですね。

日当たりや温度変化の大きな場所、水場の近くに注意
4.最適な保存方法で賞味期限をのばそう(まとめ)
風通しの良い場所でチモシーを保管することは、品質を維持する上で重要です。湿気対策は通気性のある袋を使用することで、チモシーを長期間高品質な状態に保つことができます。直射日光や温度変化に注意しながら、適切な保管場所を選びましょう。
アメリカの牧草生産者によると、これら適切な方法で正しく保管されていれば、チモシーはなんと18ヶ月は安全に飼料として与えられるとのこと!これはすごい✨ぜひ皆さんも品質をながーく保てる牧草マイスターを目指してみてください!ではまた👋
(確かに、牧草業者さんも農家さんも、牧草の保管は完全な真空状態ではなく、通気性を考慮した在庫保管をされていました。ラッピングされているブロックも、空気が通るようにはなっていましたよ。倉庫内も通風孔や換気扇が設置されていたし、そういうことだったのかぁ😆勉強になりました✨)
MAH+(まぁ)